昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

設計製作は”120点主義”で

日本初の民間宇宙ロケットが失敗したとのことで。
こういった話を聞くといつも思うことがある。

ロケットとか失敗すると損失が大きいものは”120点主義”でことに当たらねばならないのだ。

特に宇宙ロケットなどは一つのミスも許されない。
学校の試験で言ったら完全、すなわち”100点”を取らねばならない。

例えば中学生時代にテストで、「これは100点いったな」と思ったのに、ケアレスミスがあって90点くらいだったことはなかっただろうか。
「80点は取れるかな」と思ったら65点くらいだったことはなかっただろうか。

どれだけ気をつけてもミスは起きている。
だから”100点”をねらっても100点は取れないのだ。
だから完ぺきにスペックを満たすものが必要ならば、スペック通りに作ってはいけない。
スペックよりも何割かの上を考えなければならない。
それは設計とか使用部品のスペックもあるが、不具合が起きる確率もひとケタ小さいところを目指すとかも含まれる。

この製品は80点くらい取れればいいだろう、なんて意識で設計すると、実際は60点を切る。すなわち赤点。
”80点主義”ならば設計製作は100点を狙わなければならない。

いや、今回のロケットに手抜きがあったと言っているのではない。
単に今回のことに絡んで思い出しただけである。
たぶんかなり一生懸命作ったのだろうけど。
今回のデータはかなり貴重なものになるだろう。
あ、データの解析も”120点主義”で行わなければならないのだが・・・