昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

EVについての短絡的意見が多すぎる

いつも思うのだが、電気自動車、EVに関する短絡的な話が多すぎる。
EVは二酸化炭素を出さないからエコだとか。

そんなことを言う輩はホントに近視眼。
その電気を作るのにはどうしているかまで想像力が働かない。

欧州のEV化計画は現実的か?
http://diamond.jp/articles/-/137661

欧州の一部政府が完全EV化を打ち出したりしていて、車関係者はさすがにヤバいと思ったのか、この手の記事が昨今散見されるのだが。

エンジンに関するマツダの長期ビジョン。
http://toyokeizai.net/articles/-/184175

この手の議論でガソリンエンジン擁護派が使うのが、”Well To Wheel”だ。
車を走らせるためにどのくらいの二酸化炭素を出すのか、原油の掘り出しからカウントするのだ。
これのEVとガソリンエンジン車との比較はすでに散見されている。

エンジンにこだわるメーカーがあることについて、TBSラジオの朝の情報番組のアナウンサー、
「こんなことをしていたら取り残されるんじゃないですかねえ?」などとあっさいコメントをしていた。
いや、この人はかなり年配の人なのだがその割には中身がないなー、とは思っていたが・・・
”Well To Wheel”なんかおそらく想像もできまい。

大体、モーターやバッテリーを作るのにどれだけの希少元素を浪費するのだ?
世界的にEV化されたら足りなくならないか?

まあ、EV化への期限を切って技術開発やインフラ整備を加速させる、という考え方もあるだろう。
最初はこんなものは普及しないよと言われていた技術が現在は席巻しているというものも確かいくつかあったはずだ。
でも、普及したけどやっぱり良くないよね、と言われる技術もあるわけで。○○力発電とか。
また、ハードディスクなんかは10年後には無くなる、と20年くらい前には言われていた。それが今ではどうか。

それらはともかく、5年くらいではEVは普及できる代物ではあるまい。10年経ってもどうか。
10年経って考えが浅い成金がこぞって買う程度のものだろう。

二酸化炭素の排出量がどうであれ、インフラ整備がそこそこされたとしても、
私は10年くらいではEVを買う気にはならないだろう。
理由はこのブログで数回述べている。
普及しないと見えてこない弱点もあるのだ。
その弱点は年に数人の死亡者でも出さないと理解されない。
私はその数人になる気はナイ・・・