昔気質技術者のお小言

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電気自動車へシフト、は浅い考え方

最近、電気自動車へのシフトに関する批判的記事が多いような気がする。
ここまでいろいろあると、欧州の電気自動車への急激なシフトに対して一部業界が危機感を持ってあちこちにそういう記事を書かせているのではないかとすら思う。
しかしこのコラムを読むと、電気自動車へのシフトを声高に叫ぶ側も胡散臭さを感じるようになる。
内燃機関の全廃は欧州の責任逃れ。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1708/21/news035.html

ざっくり言うと、ディーゼルエンジンなどが出す有害物質の対策を欧州自動車メーカーは怠ってきた、もしくは”ごまかして”きて、当局もたいした指導をせず、ということ。
まー、内燃機関の技術はもう日本メーカーには追いつけなくなったので、一足先に電気自動車へシフトしてしまえ、という意識か。

いずれは自動車はEVになるだろう。
しかしそれは今とか十年後ではナイ。
他の散見されるコラムでは、帰宅後に一斉に充電を始められたら電力不足になる、とか。
そのための電気を作るのには現状では二酸化炭素を出す方法しかない、とか。

ちなみに、太陽光とか自然エネルギーで電気を作るのだって二酸化炭素は相当量排出される。そのシステムの製造時に。
太陽電池を作るのにどれだけのエネルギーが必要なのか。
また、ある試算によると、風力発電機製造時に排出される二酸化炭素量は風力発電によって削減される二酸化炭素量とトントンであると。

本当にエコのことを考えるならば、ここまで考えないとね。
電気自動車を盲目的に推進しようとするのはものごとを表面的にしか捕らえられない輩の議論。
電気自動車を普及させたいならば充電スタンドを現在のガソリンスタンド並みに整備しなければならないし、
そのための電気も自然エネルギー由来で作らなければならない。

そして自然エネルギーによる発電所を作るためのエネルギーは結局火力。すなわち二酸化炭素を出す。
自然エネルギーによる発電で自然エネルギーによる発電所を作るだけのエネルギーを得るようにすることが先。

EV、例えばリーフなどの長距離走行インプレは、大体が充電残量との戦い。
たかが200キロ程度走るのに残充電を気にしながら走ってたら危険だよね・・・

 

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