美味しい、美味しくないの違いはどこからくるのか その3
続きです。
ファミレスの味はなぜそこそこレベルなのか。
美味いことは美味いんだけどね・・・
これはおそらく、素材の味が薄いから、だと思う。
私なんか舌が肥えているわけではないので、素材の味なんか分かるはずもない。
しかし無意識に感じているのかもしれない。
素材の味が”薄い”ということは、複雑な味成分が欠けるということだ。
ファミレスでだって、多数の調味料とかダシの素とかいろいろ使って美味しくしようとしているはずだ。
しかしそれらは所詮”精製”された味成分。
生の食材には無数の味成分が含まれている。味成分の数では食材自体にかなうものはナイ。
こういう考えに至ったのは、あるラジオ番組で”種開発メーカー”の人の話を聞いたことによる。
いわく、種屋さんへのファミレスの要望は「味がない野菜を作ってくれ」だそうな。
こんな要望はファミレス側にしたら当然である。
野菜の味が濃かったら、その味に合わせて調味料の配合を変えなければならなくなる。
全国均一の味が出せなくなる。
だから野菜の味は薄ければ薄い方が都合がよいのだ。
これが普通の料理人だと、素材の味に合わせて一回一回味付けを調整する。
ファミレスのような工業製品的な料理ではないから、そういうことができるし、しなければならない。
だから素材の味が加わった複雑な味になる、すなわち美味しい。
で、おそらくファミレスなんかでは肉などもそういう味が薄い素材なのではないか。
料理の味を均一にするために。
だから、ファミレスに比して価格が高い料理屋の料理は美味くなる。
高い素材を使ってその素材の味に合わせて手間をかけているから。
すなわち、料理の美味しさは値段に比例すると言うことができる。結局。
ま、もちろん、値段相応の美味しさがナイ料理もありますけどね・・・
それは単に料理人の腕が悪いだけなのだ・・・
以上、このシリーズは終わりです。