昔気質技術者のお小言

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ハードコートはいろいろと”難しい”

伊達公子さんが作ったハードコート 世界基準こだわる」

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO34131620U8A810C1000000


テニスコートの種類はざっと言うと、
砂入り人工芝(”オムニコート”という”商品名”で呼ばれること多し)
クレーコート(土の)
ハードコート
がある。
滅多にないが”カーペットコート”てのもある。

さて、冒頭にあげた記事のキーワードは「ハードコート」と「世界基準」であるが。

日本国内だと砂入り人工芝コートが一般的だろう。
しかし世界的にはハードコートが一般的らしい。

日本で砂入り人工芝コートが多いのは、水はけがよいようにコートを作れるからだ。
雨が降っても止んだらすぐにプレーを再開できる。
よっぽどの大雨でもない限り、水たまりができない。
大会運営者にもよるが、大雨でも大会を続行するところもある。(ひどい)

ちなみに、雷が来たら即座にプレー中止ですがね。
テニスラケットは電気を通しやすいから。

閑話休題
日本でハードコートが少ないのは、やはり気候による。
雨はともかくだが、寒暖差でコートがすぐに傷むのだ。
屋外のハードコートなんて、ちょっと古いとバッキバキにひび割れしている。
構造によっては、表面が浮いていてベコベコなんてところも。

だから日本で”世界基準”のハードコートを作るのは難しい。
作るとしたら屋内施設しかない。
冒頭の記事のコートも屋内施設である。

で、狭い日本では屋内テニスコートなんて作る金がナイ。
土地はあっても土地代が高いし、土地代が安いところだと辺鄙な場所なので客入りが少なく建設費を回収できない、などなど。

ちなみに、屋内コート施設でもわざわざ”人工芝コート”にするところが多い。
それは、国内の大会のコートがほとんどが砂入り人工芝コートなので、それに合わせているから。
世界を目指すプレーヤーを育てるところだったらハードコートにするんだろうけど、
国内レベルだったら人工芝で、ということだ。

一方、私の持論だが、テニスの上達にはハードコートの方がよいと思う。
バウンド、すなわち球足が速いので、テイクバックを早くすることが身につくのだ。
人工芝コートなんて、球がバウンドしてからラケットを引いても間に合う場合も多いので、そのままのスイングで”自称中級”になっている人のなんと多いことか。

ちなみに、ケガの発生率はハードコートよりも人工芝コートの方が高いそうだ。
ハードコートはケガよりも足の”疲労”が先に来る、のだ。