昔気質技術者のお小言

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携帯電話などの電波のお話 その2

携帯電話などの電波のお話の昨日の続き。

電波の波長が長いのと短いのとではどう違うか?

電波は電気を通す物体によって遮られます。

電波に関係する電気を通す物体といえば、鉄筋コンクリートの建物の鉄筋とか、山なんかも電気を通す物体とみなします。

そしてこの物体が電波の波長より短い物であれば、電波はそれを跨いで回り込みます。

例えば、AMラジオの電波。

例えばニッポン放送 http://www.1242.com/ の電波は1242kHzですが、簡単のために1000kHzとして、

1000kHz=1MHz、

波長は

300/1MHZ = 300m ですので、

少しくらい大きな建物でも簡単にまたげるわけです。

逆に、電気を通す物体の隙間より電波の波長が短ければ、電波はその隙間に入り込めます。

例えば、軽量鉄骨製の家屋は鉄骨の間隔が長くても数mなので、

前述のAMラジオの電波は波長が300mもあるので、家屋の中深くには入り込めないわけです。

しかし1.5GHzの携帯電話の電波は、波長が20cm(昨日記事参照)なので、簡単に家屋内に入っていくわけです。

ちなみにトンネルの中では基本的にラジオは聞こえません。

トンネルは普通土の下ですし、入り口の大きさも数m。

波長が300mもあるAMラジオの電波は入っていけません。

FMラジオや携帯電話の電波は入りますが、電波はトンネルの入り口からしか入れないので、トンネルの奥へ行くと電波は弱まって消えてしまいます。

しかし長いトンネルでは「ラジオつけよ」という標識があります。

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この表示はハイウェイラジオだけですが、一般のラジオ放送も聴けます。

こういうのはラジオ放送をトンネル内に”再送信”しているのです。

電波の波長による違いについてお分かりいただけたでしょうか。

本日はここまで。

明日に続きます。

明日は当たり障りなくない話になると思います。