安全の誇大広告は今に始まったことではない
某メーカーの衝突回避システムのテストでブレーキがかからず衝突し乗員が大けがした、とのニュースはこの記事がアップされるときは原因の究明などの続報が出ているだろうか。
この事故のことのニュースの中には
車メーカーは衝突回避システムを安全であると過大に広告している、
と指摘しているものもあるが・・・
まー、少し思考力がある人ならばこんなもんを全面的に信用することはないとは思うが、
そうではない輩の方が大多数だったりする。
煽りやデマに踊らされているような人々ね。
自動車評論家と呼ばれるような人でも、
ある新車の試乗会で自分の運転ミスで車をぶつけておきながら「エアバッグが開かなかったじゃないか」などと逆ギレした人もいるらしい。(昔読んだとある自動車本で紹介されていた)
そういや昔、ABSがオプション装備され始めたころ、
日産のCMで、
当時のサッカー日本代表GKがABSが足についている表現をしていて、ABSは止まれると誤解させるものがあった。
トヨタの販売店のローカルCMでは、ナマハゲが足にABSがついていて止まる、というアニメの表現があった。
ほんのちょっぴりでも車についての知識がある人ならばABSは止まるためのものじゃないことは理解していると思うが、そうではない人々に対して大きな誤解をさせるものだったね。
衝突回避支援システムでも同じことがCMで行なわれている。
批判を受けないようにするためか、注意事項をCMの最後に写しているが、あんな短い時間でその文章を全て読める人なんかいないぜ?
衝突回避支援システムの安全性の不完全さを紹介しておこう。
前方の障害物を検知するやり方には何種類かある。
レーダー方式と言って、電波を前方に照射、反射してきた電波で前方の物体を検出するもの。
これはただの簡易レーダーなので、電波を吸収したり小さな物体、例えば子供なんかは検知できない。
高速走行でも前方の監視ができるのが特徴。
赤外線レーザーを照射して検出する方式、これはホンの目の前しかわからない。
テレビカメラで前方を撮影する方式、これはステレオカメラで前方を撮影していて障害物を検知。
画像処理を行なって前方の障害物が壁とか人間とかまで判定できる。
しかしビデオカメラなんで、大雨だの霧だの吹雪だのの悪天候の視界不良時は画像を撮影できないので役に立たない。
朝日や夕日で直射日光を浴びている時も同様。
とまあ、前方の障害物検知がいかに不完全なものかがわかる。
複数の方式を組み合わせればかなりマシになるのだが、そんなことしたら価格がいくらになるかわからん。
ま、それでも誇大広告に踊らされる人は後を絶たないのだろうけどね・・・