昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

くまモンと能面

くまモンの人気は留まるところを知らないようで。 歩いてしゃべるぬいぐるみだの、Tシャツだの、
グラスだの、
もはや完全に独立したキャラクターですな。 くまモンがこれだけ流行ったことについて、経済評論家などはしたり顔で、 キャラクター使用料を取らないからとかなんとか言っているが。 そんなキャラクターの”使い方”以前に、キャラクター自体が見事な出来であるのが人気の原因である。 愛らしいキャラクターだからだろ?と言われると思うが、 キャラクターがかわいいだけでは流行らない。 例えば、ゆるキャラグランプリ2013の第一位のさのまる。
かわいいし、ゆるキャラ第一位だけど流行っていないでしょ? くまモンの愛らしさのもとは、いろいろな表情を作り出せるその顔にある。 顔なんか固定されていて表情は変わらないじゃん、と思うだろうが、 着ぐるみの動作によって、その顔が喜び、驚き、困り顔、したり顔にまで見えたりする。 これだけ表情が豊かだと、テレビやイベントでくまモンを見た人はみんなファンになるでしょね。 実は、固定された顔面でいろいろな表情を作り出す技術は古来からあったものだ。 それは、”能面”。
それにしても、リンク先でアップで見ると能面ってコワイなー(汗) で、能面は無表情の代名詞になっているが、 舞台上では装着者の演技でいろいろな表情になる。 うつむけば悲しみの表情、上を向けば大笑い、などなど。 てゆうか、能面はそのようにデザインされたものだ。 くまモンの顔も、一見笑っているように見えるが、アイドルや女子アナの決め顔のようなわざとらしい笑顔ではない。 何を考えているか分からない顔といってよい。 だからこそ、ちょっとしたしぐさでいろいろな表情の顔になる。 つまり、くまモンの流行の原因は使用料云々ではなく、 デザイナーの見事なデザインによるところが大きいの思うのでした。