昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

特許とは

特許法の改正が論じられているそうですが。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141017-00000001-fsi-bus_all

今回のノーベル賞の中村氏が会社に対して訴訟を起こしたときももちろん議論があって

当時のエレクトロニクス系専門誌でも特集されていた。

その時代は”報奨金制度”の是非について。

特許の報奨金が一般的ではなかった時代なのだ。

当時の考え方は二種類。

発明や技術開発が”業務”なのだから、給料以外の報奨金などは必要ない。

発明とは個人の高度な精神活動だから、それに対して対価を支払うべきだ。

・・・てな感じ。

私が特許を申請した際、当時の工場長に「報奨金は無いんですか?」とストレートに言ったところ(笑)、

「うちはそういうのはありません」とキッパリ言われた。

しょーがねーなー、と思ったものです。

今回はいいけど今後は報奨金が無いと誰も特許考えなくなりますよ、とは言っておいたが。

しかしながら、中小企業では報奨金制度が無いのは当然でもあったのだ。

社員が出した特許の”価値”を誰かが判断して報奨金を決めなければならない。

そうしないと、報奨金目当てでカスみたいな特許を書きまくる輩が出てくるわけで。

特許は申請や維持にも手間や費用がかかる。それは実は安くはないのだ。

しかし、特許の価値を判定する体制を作るのは中小企業では人員・能力等の観点で無理なのだ・・・

ま、私にとっては発明が会社のものであろうとなんだろうとかまわないのだが。

でも、発明に対する対価をどう考えているかでその会社が社員をどう扱っているかが明確になる事柄ではある。