昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

”デジタル”以外の技術が低下したからだ!!

実家でテレビが壊れたとかで、買い替えていた。
いつも懇意にしているいわゆる”街の電器屋さん”から。

前のテレビは十年使ったとかで?
でも、画面は何の不便もなく映っていたし、調子が悪いところが見当たらなかった。
どこが壊れたかというと、電源が入らなくなった、とのこと。
いや、別にその部分だけ修理すればまだまだ使えるんじゃないの?とも思ったが、もう十年使ったと言われて買い替えを決めたようだ。

新しいテレビは確かに画質が向上している。
前のテレビもなかなかいい画質だったのに、それよりもさらに。

しかしふと思ったのは、
画像表示などデジタル回路系はまったく不具合がないのに、なぜ”電源”系が壊れる?
前の前のテレビも確か、一回電源スイッチがおかしくなっていた。

おそらく、しっかりしたアナログ技術を持った技術者が少なくなっているのではないか。
電源系等のアナログ回路なんてデジタル回路よりは単純なはずだ。
それがデジタル系よりも耐久性が無い、これは”技術力の低下”に他ならないのではないか。

耐久性があるアナログ回路を作るためには、電気の本質、電子部品の本質や品質をしっかり理解していなければならない。
手抜きをするとそこから壊れる。

このあたりに日本の製造業の技術力の低下が表れているのではないか。
韓国なんかはみんな”ハイテク”をやりたがっていて、いわゆる”ローテク”の技術が弱いという話を読んだことがある。
それと一緒。
日本もアナログ技術なんか”ローテク”のイメージでとらえる人が大部分になっている?

”ローテク”の技術をバカにするからすぐに壊れる電気製品しか作れないのだ!
デジタル技術とソフトウェア制御で何でもやってしまおうとするから、ヒット製品が作れないのだ!
ソフトウェア制御だけじゃ、結局他の製品とたいした差別化はできないよ!!
スマートフォンがいい例じゃん!!