昔気質技術者のお小言

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酒はやっぱり甘口で

ツウは辛口、ってより”端麗辛口”と言った方がいいのでは?
http://toyokeizai.net/articles/-/131096

いや、もー、うちの県でも、新聞記事なんかに出てくるのは
「女性でも飲みやすいすっきりとした味」の酒を開発した、とかなんとか。
その結果、酒蔵が集まる酒の飲み比べ会なんかでは同じような酒ばっかし、ということになっているのだ。
酒の国”秋□県”ですらそうなのだ。

酒蔵ですら女性にうける酒ばっかり作っているから、女性に媚を売る男がツウぶって”端麗辛口”の酒を推しているだけかもしれんですな。

まー、そろそろ、端麗一辺倒からの揺り戻しが来てもいいのでは?と思うが。

そもそも、端麗な酒が好まれるようになったのは日本人の味覚の趣味の変化があっただけである。
江戸時代までは灘の酒のようなものが好まれており、端麗な酒は”水酒”などと蔑まれていたのだ。
それが日本人の味覚が変わり、ミネラル分が少ない水で作られた水酒が好まれるようになった。
新潟のあの酒のような、ですね。

つまり、歴史的に見れば濃厚で甘口の酒が本当の日本酒。
でもまあ、味の好みは人それぞれ。
好きな味が端麗辛口すっきり飲み口、であっても否定する気はナイ。
しかし、ツウぶって端麗辛口ばっかり言うのは、単なる偽ツウである。

ちなみに私は日本酒の美味さは程よい”雑味”であると思っている。
だから”端麗”をうたう酒はあまり好きではない。
すっきり味ならば安い焼酎の方がすっきりしている。
旨いとされている焼酎だって”風味”があるわけで。
いわゆる”地ビール”だって、特徴となる雑味を残して特徴を出しているのだ。

ある奥様いわく、「うちでは純米酒しか買わない」なんて。
いや、ヘタな純米酒よりも味が調整された吟醸酒の方がずっと旨いのだが?
純米酒ではない酒は”醸造アルコール”で味を調整しているのだ。
混ざりものなんていう人もいるが、(大抵は)それも米から作られた風味調製用のアルコールなのだ。
工業用アルコールではナイ。
だから、ヘタな純米酒よりも普通の吟醸酒の方がずっと旨いことが多い。
特に純米酒信仰が高くなって玉石混合の”石”が多い昨今では。