昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

ある怪談(ウソ)

ある日の夜のこと。
テレビに繋いでいるスピーカーが片チャンネルしか鳴っていないことに気づいた。

テレビにスピーカーをつないでいるのは別に耳が遠いわけではない。
スピーカーをできるだけ座っているところに近くすればテレビの音量を下げられる、すなわち壁向こうの隣へ騒音を出さないため、なのだ。

テレビのイヤホン端子に延長コードをつないで、それをDCアダプタで電源を供給しているスピーカーに接続して手元に置いている。
で、片チャンネルが鳴らないのは大方どこか接触が悪いのだろう。

なので、途中のプラグを外したり挿入しなおしたりしてみていたら・・・
なんか・・・時々・・・若い女性の声が混じる・・・!
キャアァァァァ~~~!!

この部屋で過去に地縛霊が付くような事件があった、とかそんなことは全くない(はず)。

ま、”ラジオ”なのですわ。
”アナログ”を少しでも知っていれば怪談系よりも先に思い当たる。
プラグが接触しかかったときにはっきり聞こえるから。
そして乃木坂がどうとか言っていたから、地元のAMラジオ番組表を調べたらまさしくその通りであった。

”AM”ってそういうことが起きやすいのだ。
AMラジオの電波の乗せ方を知っていますかな?
AMとは音を電波の強弱にして送信する。

長く取り回したコードがラジオの電波をとらえてしまったのだろう。
電波の強弱はアンテナが生ずる電圧の強弱となる。
AMラジオならばこの強弱のみを取り出せばそれだけで聴けるのだ。
専門用語だと”整流”。
プラグの接触を悪くしたときにこの効果が出てしまったと。

電波なんかWiFiだの携帯電話だのテレビだのラジオだのそこいら飛び交いまくっている。
そのうちのどれかにたまたま無線工学的な条件が合ってしまったと。
小さい頃に読んだ本で、真冬の雪国で薪ストーブからラジオが聞こえたという話があった。
煙突がアンテナになったのだろうと。

ちなみに、スピーカー片方が鳴らないのはどうやらスライド式の電源スイッチがへたったことによるらしい。