昔気質技術者のお小言

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カセットテープは考えようによっては発達する

カセットテープの人気が再燃とかで。
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO99391890X00C16A4000000

まー、この記事を読む限りでは、カセットテープの人気とは単なる懐古趣味、レトロ趣味。
クラシックカーを愛好するのとかアンティーク物を好むとかと同じことではないかと。
面倒くささを楽しむ、というものであるならば、爆発的な人気とか主流になることはないであろう・・・
”高性能”の部分がないからだ。
所作だけを楽しむようなものはいずれ飽きる。

例えば、コーヒーを飲もうと思った際にはマニアの人は豆選びから行い豆挽きも自分で行うという面倒なことをする。
それはそうした方が美味しいからだ。
カセットテープはどうか。
面倒なことをしても高音質なわけではナイ。
だから・・・いずれ飽きがくるものであろうと。

そこで私の考えだが、カセットテープを現代の技術できちんと作れば現代の”ハイレゾ”以上の音質が実現できるのではないかと。
そうすればカセットテープは今後主流になることもあり得る。

そもそもデジタルなんて、自然の音をブツ切りにして記録しているのだ。
対してアナログレコードは音を完全に連続的に記録している。
すなわちデジタルの考えで言ったらアナログレコードの情報量は無限大。
サンプリングレートなんて考え方はナイ。
だから、レコードから音の波を取り出して音を鳴らす過程を向上させればさせるだけいくらでもいい音になりえるのだ。

カセットテープも同じこと。
カセットテープに塗布されている磁性膜をもっともっと細かいものにすれば周波数が高い音も記録できる。
さらには記録される磁気の強さのレンジを広くすれば、ダイナミックレンジも大きくなる。そうすると雑音も減らせる。
そういったことを実現するための磁気的な材料の知見は専門家ならばすでに持っているはずだ。
ハードディスクの開発で散々やってきているはずだから。
アナログ記録への転用はちょっと研究すればできるんじゃないの?

カセットテープに記録、再生するヘッドもハードディスクへの読み書きヘッドで得られた知見を使えば、さらなる高性能化はちょろいのでは。

携帯型の再生機器で問題になるのは振動などでカセットテープの回転数が変化してしまうこと。
これも現代のサーボ技術を使えばほぼゼロにできるはずだ。
テープの一部に回転数を一定化するためのクロック信号でも記録しとけばいいじゃん。

テープの材質だって昔よりも伸びや縮みが少ない材料が現代ではあるはず。

これらの、おそらくは既にある技術を組み合わせれば、かなりの高音質のアナログ記録・再生ができるはずだ。
さらには昔の”マイクロカセット”(カセットテープの3分の1ほどのサイズ)サイズでも十分な高音質記録・再生ができるはずだ。
だから携帯型再生機器もカセットウオークマンよりもかなり小さくできるのだ。

どですかね?
先にやって業界標準化したもの勝ちだと思いますけどね?