昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

”ネットビジネス”とはこんなもんですわ

誤った記事をばら撒いたDeNAWELQの話。
http://toyokeizai.net/articles/-/147045

この問題自体ではなく、この問題の解説を読むと、今さら、今ごろ指摘?という感じもする。
こんな本が出ていたのはもうずーっと前だ。

この本の内容は以下でほとんど言ってしまうので読む必要はないが。

冒頭で今さら今ごろと言ったが、”ネットビジネス”に関わっている輩以外は知らない人も多いかもしれない。
でも、日に何回か”検索”するレベルの人ならばとっくに知っていてもよいと思うのだが。

ウェルクがそういった記事の書き方をしたのはアクセス数を増やすため。
アクセス数が多ければ広告収入に繋がるからだ。
アクセス数が増えれば他のことはどーでもいい。

アクセス数を手っ取り早く増やすにはGoogleで上位に表示されること。
上位に表示されるには、Googleのロボットが”役に立つ”と判断、というか”誤解”させることが必要。

役に立つ”と誤解させるには、”情報”がたくさんあることが必要。
それにはノウハウとか専門情報をたくさん載せればよい。
当然。

しかし専門的情報を集めるには時間も金もかかる。
だから、”クラウドソーシング”などと聞こえはよい仕組みを使ってどこの馬の骨とも分からん人々にタダ同然の低賃金で記事を書かせる。
そんな金じゃあ”責任感”など発生しないし、短時間で書きたいのでネット情報をコピペして記事を作る
逆に発注者もそれを推奨したりする。

そしてさらに、そのコピペ元のネット記事も同じように作られたコピペ記事だったりするので、情報の真偽は不明。
このようにしてウソ記事がネット上にあふれていく。

検索結果の上位に来るようなサイトはGoogleを”騙す”技術に長けているから上位に表示される
その技術とはキーワードの入れ込み方とかリンクの貼り方とか。
ウェルクは情報の真偽ではなく、キーワードなどの検索対策のみを執筆者に厳しく課していたのだ。

一方、こういったGoogle検索をだまして上位に表示されるカスサイトはネット上にあふれている。
先日は”カニ 解凍”という検索キーワードでそういうのがすぐに見られたが、他のキーワードでも、例えば”頭髪 ○○”とかで検索するとコピペサイトはごろごろ出てくる。

サイト運営者がはっきりしなくて、執筆もどこの馬の骨が書いたか分からないような”情報まとめサイト”は読むだけ時間のムダ。

こういったことはかなり以前から行われていたのだ。
だから情報まとめサイトはほぼすべて意味がないサイト。
それなのになぜ今さら、今ごろウェルクが叩かれるのか。

それは、医療情報を扱っている体を取っていたということ以外には、
DeNAというプロ野球球団を所有している有名会社がそんな行為を行っていたということがある。
サイト所有者が個人や泡沫的会社だと(サイトの体裁を整えるために”会社”を名乗っているサイトは多い)、その行為を指摘しても大した話題にはならない。というかそんな会社を批判するだけ時間のムダ、他にも無数にあるから。
しかし大企業がそういった詐欺的行為をしていたとなれば、話題になるから。

逆に言えば、そういった有名企業が行なっているものであっても”ネットビジネス”とは詐欺的なものである、と言える。
アクセス数が増えて広告収入が得られるならばGoogleをだまくらかしてユーザーもだまくらかす、だけのこと。

そもそも”ネットビジネス”とは、例えば”コンサルティング”などと言っていても要するに、アクセス数を増やす工夫を指導するだけのこと。サイトをいじくるとか程度のこと。
その会社が販売している商品の価値を高めるとかとは全く関係がナイことをしている。
つまり、”ネットビジネス”は実体の価値を生み出していることはほとんどナイ
今回のDeNAの件でよく分かった。