昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

えげつない商品戦略と言えなくもないが

iPhone失速なのか?
http://toyokeizai.net/articles/-/170472

アップルの戦略は、平均販売価格を少しづつ上げていくということか。

一度iPhoneにハマった人はなかなかAndroidに乗り換えられないだろう。
それだけの魅力がiPhoneにはあるのだろうし、外部メモリーカードを使えなくしているのももしかしたら戦略の一部かもしれない。
そういう人たちにだんだんと高い買い物をさせる?
そういう見方をすれば消費者にとってはかなりえげつない戦略だ。

これはiPhoneだからできることでもある。
リセールバリューも高いし、中古機を売ってしまえば元は十分とれそうだ。

しかしながら、こういった価格を上げていく戦略はメーカーとしては正しい、というか一般的。
そもそも工業製品は発売した瞬間から価格は下がっていく。
家電などでは目立たないが電子部品では顕著。
だからメーカーは常にさらに付加価値を上乗せした新製品を開発しなければならないのだ。

例えば電子レンジ。
温め機能だけの単機能機なんか以前に比べると激安。

こんなんばっかり売っていたらメーカーは利益が出ない。
(もちろん利益を出せるビジネスモデルのメーカーも多数ある)
そこで電子レンジにオーブンだのスチームだのと余計な機能を付けて高価格の商品を買わせるわけだ。

電子レンジなんか実際は最も安いやつで十分なんだけどね。
電子レンジの例はともかく、スマートフォンAndroid機は価格がどんどん下がっているようだし、
そういった観点でハードの性能とブランドイメージでユーザーから金をむしり取らんとするアップルの戦略は正しいというか一般的なのだ。

ちなみに、MacPCは近いスペックのWindowsPCと比較すると安いらしい。
それは、例えばWindowsMacかと選択を迷った場合、
WindowsPCはいくつもメーカーがあるがMacはアップルだけ。
つまり1機種あたりの生産数はMacPCの方がはるかに多いのだ。
つまり価格をその分下げられる。

おそらくiPhoneでも同じことだろう。
価格は高いが性能比では安いのかもしれない。

それでなくともアップルはiPhoneの部品調達のために日本の製造業をボロボロにした。
技術をかっぱらっていったりもしていた。
だからiPhoneがいかに性能比で安いとしても使いやすいとしても、技術者の端くれである私は信条として買わない、のだ。