昔気質技術者のお小言

~ おいさんのへりくつ日記 ~

アイドリングストップはエコではナイことが多い

新燃費基準「WLTCモード」の話。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060200988&g=eco
https://trafficnews.jp/post/72309/

このWLTCモードは市街地・郊外・高速道路の三つの走行モードがあるとかなんとか。
実際にどういう走行パターンなのか資料を探してみたが、
蘊蓄ひけらかしサイトでも見つからず。
とあるPDF資料があったが、まとめ方が悪くて読む気が失せるもの。(一般消費者向け資料ではないから)

ま、それはそれとして。
”市街地モード”なんてあるといかにも実走行パターンに即した燃費かと思う。

日本の場合だとさらに、”スーパーモード”も加えたら?と思うのだ。
この”スーパー”とは”超”ではなく、スーパーマーケットのことである(笑)
すなわち、スーパーに買い物に行くような走行パターン。
駐車スペースを探して駐車場をうろうろとする走行も含むような。

で、「マツダは実際の燃費を重視したクルマ作りを進めており」なんて書かれていたが、
他のメーカーはどうなんだろねえ。
”実際の燃費”となると、エンジンの技術力がないメーカーはかなりきついはずだ。
極低速走行時とかアイドリング時にいかにガソリンを絞れるかが重要だから。
これはエンジンへの燃料噴射プログラムではどうにもならないところである。
単にエンジンが回転するための最小燃料量だから、エンジンそのものの問題だから。

つまり、”アイドリングストップ”なんてものではどうにもならないのだ。
それでなくとも新燃費基準ではアイドリング時間が短くなったとのことだし。

そもそも、「アイドリングストップで燃費が向上」なんて話がいかに馬鹿げたものか。
ちょっと考えてもらいたい。
エンジンを始動する際には燃料を多く消費するのだ。
だから、エンジンを止めてすぐに再始動だとガソリン消費量は反って増す。
一時停止線で停止したときにエンジンが停止、そしてすぐエンジン再始動なんてやってるのはガソリンをドブに捨てているようなものだ。

じゃあエンジンを止めた方がよいのはどれくらいの停止時間か。
これはまたエンジンによって違う。
エンジン始動時のガソリン消費量が多いエンジンだとかなり長時間の停止でないと、アイドリングストップは反ってガソリンの無駄になる。
始動時のガソリン消費量が少ないエンジンならばちょこちょこ止めた方がよいということになるし。
また、アイドリング時のガソリン消費量が少ないエンジンであれば、3分くらいだったらエンジンを停止しない方がよい。

だから、とあるメーカーはアイドリング時のガソリン消費量が少ないエンジンだったのでアイドリングストップを最後まで装備しなかったのだ。
どこのメーカーかはちょっと調べりゃ分かる。
それがアイドリングストップ=エコ、という間違った、馬鹿な風潮が一般的になってきたから仕方なくアイドリングストップ機構をつけたのだ。

つまり、アイドリングストップで燃費向上」と声高に宣伝していたメーカーはエンジンの技術力が低いということだ。
現在はアイドリングストップ機構を装備するのが普通になっているから宣伝はあまりないが。
以前は、どことは言わないが「トマール猿人」なんて猿の着ぐるみ着せてCMしていたメーカーがありましたな?
アイドリングストップで燃費がそんなに向上するということは、アイドリング時もガソリンをじゃぶじゃぶ消費しているエンジンということなのですよ。
すなわち出来が悪いエンジンということ。

そして、そんなエンジンじゃあ、今回の新燃費基準の市街地走行パターンでは燃費が伸びるはずがない、のだ。

いわゆる”エコ常識”にはこんなウソも相当量あることは意識しておかれたい・・・