昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

”貯める”技術が重要

このブログでは原発の是非は論じませぬ。
その上でこの記事を読んでいただきたい。
日本も原子力発電ゼロは「達成できる」。
http://president.jp/articles/-/23447

太陽光発電パネルを作るのにもかなりのCO2が排出される、とか
風力発電機は耐用年数まで使ってCO2的にはトントン、とか
いう話は今回は脇に置いておく。

上記記事は、”再生可能エネルギー”にはさらなる可能性があってどんどん開発すれば原発分はカバーできる、ということか。

そして、この記事を読んで思ったのは、これからは”エネルギーを貯める”技術が重要になるんだなあ、ということ。
上記記事中では揚水発電が取り上げられていたし、電気自動車等のバッテリーも蓄電装置として見ることができると。

もし今よりもエネルギーを貯める技術が発達すれば、再生可能エネルギーは爆発的に普及するだろう。
エネルギーを作れるときにどんどん作っておけばいいわけだから。
夏場、あるいは南国地方でどんどん太陽光発電をして、それを別の形に変えて他の地域・時期へエネルギーとして供給できるし。
(もちろんそんなことはすでに検討されているだろうが)

エネルギーを貯めることによって利用効率が多少が落ちるとしても、上記記事中で紹介された揚水発電の85%もあれば十分なのではないか。

エネルギーを貯める形式は、揚水発電のように位置エネルギーだとか、
水素だとかバッテリーだとか、
それ以外には私には思いつかないが、まだまだ何かあるはずだ。

そしてこんなことを思ったのは、揚水発電の効率が85%程度という話から。
これでも十分に役立っているわけで。
利用効率を限りなく100%に近くしなければならない考え方があるとしたら、
それは、ポイントが付くからと言ってムダな買い物をすることに似ている。
ポイントに踊らされずに全体として節約になるかどうかが重要なのだ。
再生可能エネルギーの”保存”もこれに似ているのだ。

思えば、人類は”貯める”ことによって発展してきたのではないか。
経済的な話ではナイ。
例えば、保存しやすい、すなわち貯めやすい”穀物”によって食糧事情は改善されたし。
冷蔵庫などの食糧・食料の保存技術によってその後どうなったかは言うまでもありますまい。
人類が火を使いこなす以前は太陽光のみが熱源であったわけだが、
燃えるもの、すなわち木とか石炭とか石油とかを貯めることによっていろいろ発達してきた。

だから、エネルギーを貯める技術がもっと発達すれば世界もまた発達すると思った次第なのだ・・・