昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

テニスで見落とされている”筋力”

いやー、今行っているテニススクールのコーチって、自分は研究しているんだぜ~と思っているらしいが、所詮脳ミソが筋肉でできているからロクなことを言わない、自己陶酔している、相変わらず。
力を出せとしか言わない。
レッスン生のメンツを見て考えてもらいたいねえ。初級者コースだしジジババ中心だし。

力が無いものに力を出せといくら言っても、その”力”がナイ。特に年配者。
下半身の力で飛ばせと言っても、それも下半身にそれなりの筋力がないとバランスを取るのが難しい。歩くのとはわけが違うのだ。
それなのに無理やり力を入れるとスイングや身体の運動連鎖が乱れてインパクトのタイミングがずれる。
そうすると球が飛ばない。
そうするとさらに力む。
そうするとさらにインパクトのタイミングがずれて球が飛ばない。
そうするとさらに力む。
この悪循環に陥る。

これを解決するにはアップでのショートラリーでインパクトのタイミングの感覚のウオーミングアップをきちんと行うしかない。
なのにノーミソ筋肉自己陶酔コーチはショートラリーもさせないんだぜ。
これで”職業コーチ”なんだからなあ・・・
テニスコーチって”運動連鎖”とプロの蘊蓄だけ語れればできる仕事なんだね。
いーい仕事だなあ!(ゲスニックマガジン西条風)

ちなみに若者等や週に二回以上練習できている人は練習で筋力はある程度身に付くので、多少のインパクトのずれは腕力でカバーできているはずだ。
しかしこのクラスのレッスン生はほとんどこのレッスンでしかテニスしていない。仕事も忙しい。
見りゃわかるのになあ・・・それでも”コーチ”なんだからなあ・・・

さて、筋力といえば忘れがちなことがある。
身体の部位の筋肉ではなく、筋力が必要なシーンのこと。

忘れがちなのが、”止まるときにも相当の筋力がいる”ということ。

これは高校で習った力学で分かる。
運動方程式 F = ma ってやつね。
加速度が大きいほど力がいる。
”質量”は自分の身体とラケットだけだから変化しない。

それでは動き出すときとピタッと止まるときとどちらが加速度が大きいか。
動き出すときは二歩半くらいで速度を出すが、止まるときはほぼワンステップで速度をゼロにしなければならない。
つまり止まるときの方が加速度が大きい。加速度の方向が逆なだけだ。

また、移動するときだけではなくストロークなどの”体重移動”の際も同じこと。
体重を移動するには動く。
動いたら止まらなければならない。
その時に体幹の筋力がないと身体の動きを止められなくて身体が前のめりになる、のだ。

止まれるだけの筋力があるかないかは自分の身体がなんとなくわかっている。
だからそんな筋力がないと身体の動きも小さくなってしまうのだ、本能的に。特に筋肉が落ちた年配者。

もちろん筋力トレーニングをすれば全て解決するのだが、一般民間人は忙しいし疲れている。
そんな対策ができるのはヒマヒマ公務員くらいなものだ・・・

それなのに自己陶酔コーチは”力を前に出せ”だの”球を潰せ”だの”運動連鎖”だのウルサイ。
理屈が分からないで言うだけだったら、プロ野球セリーグの某チームの監督でもできるぜ~。
「ホームラン打て」というサインを出すしかできないのと同じことなのだ。

ちなみに以上のことは筋力がある人には絶対にわからないことかもしれない。
週に二回以上練習できている人は意識しなくてもいいことかもね・・・