昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

それは「征服」されているのだ

アメリカ人のコラムだが、日本人でもこういった人は多数なのではないか。
「テクノロジー企業なしではもう生きられない」
http://toyokeizai.net/articles/-/174102

「便利の罠」にはまった極端な例かもしれない、などと書いているが、
我々は多かれ少なかれその罠にすっかりはまっている。

いちいち説明するまでもありますまい。
携帯電話回線が何らかの原因でダウンしたら?
インターネット回線がダウンしたら?
この瞬間にグーグルがすべてのサービスを停止したら?
WindowsAndroidあるいはiOSに重篤な欠陥があって突然停止したら?

無ければもう生活できない、それはつまり「征服」されているのだ。
我々はもはやほぼ彼らの言いなりでしょ?
グーグルが使えなきゃiPhoneを使えばいいじゃなーい、という向きもあろうが、本質はどの企業でも同じこと。
従う先が変わるだけだ。

これすなわち「世界征服」。
散々既出のネタではありますが。

使っていると「便利」という価値は提供されている。
我々は対価として間接的に金銭を払っているし、さらには個人情報を提供している。
提供しているものに対しての価値は十分に提供されていると思う。

しかしあちら側の全ての企業が”我々に従え”と言ってきたらどうする?
従うしかない。
もはや彼らのサービスがないと生活できないから。

もっと怖くかつ現実的なのは、高圧的に出なくとも人々のコントロールなんか簡単にできるということ。
バイスに表示される情報をコントロールすればいいだけ。
そのための個人情報取得なのだ。
その個人がアマノジャクであったとしても、その場合は反対の情報を流せばいいだけだ。

昨今は”音声検索”などといって個人の”声紋”も収集しているから、ことはさらに簡単になっているぞ。

アニメとか特撮ものの「世界征服」は人々を高圧的に服従させるが、
現代の世界征服では高圧的に出なくても人間をコントロールできるのだ。
昔の世界征服は支配者が油断するとレジスタンス等にひっくり返されるが、現代の世界征服も油断すると”炎上”する、あるいは他の征服者に人々を持っていかれる。

つらつらと書いてきたが、こんなことを言っていると必ず「スマートフォンはもっていないしネットもほとんど見ない」という人がいる。
しかしそういった人も受益するサービスは他の人・企業がネット経由で手配したもの。
自分だけは大丈夫、ではナイ。
周囲のほとんどが流されたらその流れに抗うことはできますまい?