昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

プロのフォームをマネしてはいけない

プロのフォームを解説したがる人っていますわな。 それだけならばいいのだけど(よくはないが)、それを”理にかなった”ものとして初級者に説明する人もいる。 雑誌等で紹介されているプロのフォームを真似しようとする初級者・自称中級者もいる。 これら全て愚。 プロのフォームのコピーマニュアルなんて馬鹿な電子書籍もある。 フォームは単なる”結果”。 ”理にかなって”いるというのは、毎日何時間も練習してトレーニングして身体の手入れもしているプロにとって”理にかなって”いるだけのこと。 身体のパフォーマンスを最高にするベースができている人だからできること。 プロ選手によるフォームの違いは、それまでの練習や環境、素質等による。 外見に関するこんな本もあったが
これは主に身体の軸とゴリラスタイルの話。 だいたいフォームというただの”外見”を真似しようったって、身体はその通りに動かない(初級者の場合)もんだという話もある。
例えば、男子プロのテイクバックで多いのが、ラケットヘッドが前を向きラケット面が顔の辺りまでしか引いていないというものがある。 ここからスイングを開始すると身体の先行回転により腕が自然に後ろになりラケットダウンされてそこからフォワードスイングに入る。 これが”運動連鎖”である。 ・・・なんてしたり顔で説明する人もいるようだけど。 もちろんこれは”運動連鎖”的には全く正しい。 また、運動連鎖がすでにできていてある程度打てる人ならば、簡単にスイングスピードを上げられるフォームだ。 しかし、それを特に女性初級者がやるのは、またはやらせるのはどうかな? スイングの開始が顔の前だから、インパクトまでにラケットが移動する距離が非常に長い。 移動距離が長いってことはタイミングを合わせにくいということだ。 だから、週に一回くらいしか打てない人にやらせるとインパクトのタイミングがぐちゃぐちゃになるのだ。 毎日ラケットを振っていてスイングスピードがある程度速い人ならば球にタイミングを合わせるのは簡単で、女子中学生でもできるし実際にやっているスイングではあるが、 週一テニスで身体が硬く筋力が非力なお姉さん方(オ○サマ方)にやらせるのは運動生理学的にどうかねえ? まあ、これは極端な例だが、 自称ではない中級者がさらにボールスピードを上げようといろいろ工夫していくと、その”結果”自然にプロっぽいフォームになるのですよ。 もちろん、方法論的には最初からプロのフォームを真似してひたすら練習して身につけるいうのもアリでしょうぞ。 しかし週に一回とか二回とかの練習量でしかも素振りもろくにしないのではまったく無理でこっけいな話。 その結果”手打ちドヤ顔オヤジ”が完成したりする・・・