携帯電話などの電波のお話 その3
電波のお話、昨日の続きです。今日は当たり障りある話です。
昨日は電波の波長が違うと伝わり方も違うというお話をしました。
さて、ソフトバンクがプラチナバンドで繋がりやすくなる、と騒いでいるのには違和感があります。
ちなみに携帯電話の周波数はこれ↓(一昨日の再掲)
http://news.mynavi.jp/articles/2013/08/09/lte/images/002ll.jpg
プラチナバンドは周波数が低い、すなわち波長が長い、だからビルの陰とかにも伝わりやすいし遠くまで伝わる、と言っているわけで。
このような説明図も出してます。
http://mb.softbank.jp/mb/special/platinum_bands/feature/
ここで900MHzと2.1GHzの電波の波長を計算してみます。
一昨日の記事を参照して計算すると、
900MHzの電波の波長は、約30cm、
2.1GHzの電波の波長は、約14cm。
電波の波長が14cmが30cmになったからって、ビルにはじかれていた電波がビルの陰にグイッと回り込むような劇的な違いはないと思いますが・・・
14cmが30cmになるだけですよ?
まあ、波長が長くなると回り込みやすくなるのは事実ではありますが・・・
プラチナと呼ぶほどの効果はないと思いますが・・・
ここで電波の性質についてもう一つ。
電波には振れの方向てのがあります。
長い紐の端を持って、手を縦に振ると、縦方向に振れる波が起きて、
手を横に振ると、横方向に振れる波が起きます。
電波もこれと同じで電波が振れている方向があります。
で、携帯電話の電波は縦方向に振れるように送信されています。
このようになっている理由の一つは、縦方向に振れていた方が建物や立地している物体の隙間に入り込みやすいからです。
ですので、
http://mb.softbank.jp/mb/special/platinum_bands/feature/
の二番目の図のように電波がビルを横方向にまたぐことはありません。
ここで電波の性質とは違う話になりますが・・・
現在のドコモの使用周波数。
http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/library/docotsu/54/service.html
これによると、FOMAはGHzバンドとMHzバンドの両方を使ってますが、
FOMAを導入した当初は2GHzだけでした。
最初は、エリアが狭くて繋がらない!と非難轟々だったのですが、その後なかなかのエリアの広さになりました。
movaで使っていたMHzバンドを使って”FOMAプラスエリア”としたのはわりと後のこと。
つまり、GHz帯だけでもキャリアの努力によってエリアは広くできるということ。
プラチナバンドがないからエリアが広くできない、というのは言い訳にもならないわけで。
ドコモはGHz帯の弱点を基地局の増設や超小型基地局の設置などで克服したのです。
通信エリアが狭いのはプラチナバンドを持ってないからではないのです。
単に基地局の増設を怠っていただけ。
ただプラチナバンド取得のタイミングで基地局増設に乗り出すよ、としただけと考えられます。
プラチナバンドと騒いでいたのは、エリアが狭いのを総務省のせいにする意図があったものと考えられます。
というわけで、SBがつながりやすくなるかどうかは、
東京などの大都市や超有名観光地ではつながりやすくなるでしょうけど、
地方都市の郊外観光地や山間部にはあまり力が入れられないでしょうねえ・・・
以上でこのシリーズは完です。
やはり最後は差し障りある話になってしまいました(笑)