昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

キャリアの競争力=独占力

日本の家電メーカーの競争力がなぜ失われたか、というコラム。
http://president.jp/articles/-/20416

ざっくり言えば、「イノベーションの状況の変化」についていけなかったということか。
液晶テレビで言えば、性能をいくら向上してもユーザーには価値が向上したと感じられなくなっていたのに・・・、というところ。
確かに、現状の平面表示型テレビだったらある程度の画質で充分。
超高画質なんてほとんどの人にとって(まだ)そんなに必要ではナイ。

いや、今回は家電メーカーうんぬんの議論ではなくて。
このコラムを読んで、大手キャリアが今まさしくこういう状況なのでは、と思った次第。

何のことかというと、これまで何回も言っているように通信速度の問題。
まだ「速けりゃいいのだ」と思っている人が多い、そしてそんなにバカ速い通信速度なんて必要ないことに気がついていない人がほとんど。
これは液晶テレビで例えたら、高画質大画面ほど良いテレビと考えられている、ということ。

そしてその液晶テレビはその後どうなったかというのは冒頭のコラムに。
携帯電話回線も、そこそこの速度でも安い方がいいじゃん、となればかなりの利用者はそちらへ流れる。
月間通信容量が3GBとかの利用者とか。

しかし、携帯電話回線は現在のところ大手3社が独占状態。
大手キャリアは無駄に高速な回線を押し付けて高い金をむしり取るというビジネスモデル
液晶テレビの例で言ったら、高画質高価格のテレビしか揃えていない。

回線を借りるMVNOも、そこそこの速度で十分ということに気づいていないのか、ドコモに気を遣っているのか。
技術的には回線速度を落としたプランを提供できるはずなのだが?

つまり、液晶テレビのようなイノベーションの変化が起きていない、のは、回線が大手3社の独占だから、であろう。
MVNOには無言のプレッシャーがかかっているのでは。
ドコモの大きな不利益になるようなことをしたら回線が切られるとかね。
回線接続に関する法律がどうあれ、実際に首根っこを握っているのは大手3社なのだから。

だから携帯電話の料金はバカ高いままで下がらない。