昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

”エコ”のウソはいくらでもあるぞ

自然エネルギーが自然にやさしいという嘘」
http://president.jp/articles/-/25265

このコラムはこの本の宣伝なのだが。


 

しかし、自然エネルギーに関するウソをばら撒いているのは誰なのかここでは書けないから上記の本の○ページを”立ち読み”してください、としているのはとても良心的?

さて、上記コラムでは「自然エネルギーが自然を破壊する」と主張している。
理由は”エネルギー密度”を考えれば分かる、と。
言われてみると確かにそうか。
”自然破壊”は、水力発電だと山を大規模に崩して、などするから分かりやすいが、
それと同じだけのエネルギーを太陽光発電で得ようとしたら・・・と。
平べったい太陽光パネルを並べるだけだから目立たないが、広く並べれば太陽光が当たらない面積はどんどん広くなる。
それまで太陽光が当たっていたところに太陽光が届かなかくなったら・・・太陽光パネル下の生態系にも影響が出るだろう。
”洋上”でも同じこと。
個人が趣味でパネルを設置しているくらいだったら問題はないだろうけど、大規模に行うと影響は小さくは無いはずだ。
ま、ビルとか住宅の屋根なんかは自然破壊的には問題ないだろうけど。もともと地面を潰して作ったものだから。

上記の本には書いてあるのか分からないが、CO2の収支計算も出してほしかった。
風力発電機はその製造で排出されるCO2量と、風力発電で削減されたCO2量はトントンという話を聞いたことがある。
太陽光パネルなんかはもっとアヤシイ。
シリコンの精製にはものすごい多くのエネルギーが必要なのだ。
それが寿命がたった10年だとしたら・・・絶対CO2的にはマイナス収支だよな~。
がんばって10年以上使っても出力が低下しているわけだし。
そして、その廃棄にもかなりのエネルギーが消費されるはずだ。

コメンテータとか呼ばれる人間はこういったことを知らないのか、それともあえて言わないのか。
ウソ(コラムの筆者が言うところの)をばら撒いているのは誰なのか、私は本を立ち読みしていないから分からないが、ま、おおかた、”スッカラ菅”と”売国奴ソン”が発端だろう。

一方、こういった地球環境といった大規模な”エコロジー”なんて関係ナイ、日々の生活の”エコノミー”の方が重要だ、とする人もいるでしょうぞ。
でもこれもウソばっかしで。
車の話はここでは置いといても、もっと細かいところでは、
例えば湯たんぽは電気を使わないのでエコだとか。
お湯を沸かすガス代を計算すると、電気あんかの方がコストが安いのですぞ?
”残り湯”なんて使うと温かくないし~。

 

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