昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

ボーイング新型機のトラブルについて

この記事を書いているのは、

ボーイング新型機でトラブル続発、とのニュースが出てしばらく経っているとき。

現時点では、日本製の電池が悪いのではないかとして

責任を日本メーカーに押しつけようとするボーイング社の意図が見える。

 

果たしてそうか?

普通の日本メーカーは与えられた仕様を間違いなく満たすように作るはずである。

いくら昔に比べて技術者のレベルが落ちていると言っても。

 

つまり、ボーイング社の全体設計に問題があったのではないかと思うのだ。

設計時に想定した使用条件よりも厳しい使用になってしまったのではないか?

実際の使用でどのくらいの負荷がかかるかを設計時に予想できなかったのではないか?

 

だから、日本メーカーが仕様通りのものを納めていたならば、責任はボーイング社の設計にある。

 

しかしながら、

日本メーカーには

責任はないとしても、問題はある。

物によっては、仕様からかなりのマージンをとって作るべきなのだ。

このマージンのとり方が足りなかったのかもしれない。

 

理想的には、製品の使われ方を調べて、どのくらいの負荷がかかるかを独自に判断すべきだった。

客の言うことをある意味信用しないということだ。

 

私が駆け出しのころに習ったのは、仕様よりも幅を広げて設計を評価するということだ。

仕様の条件から外れて限界までどのくらいのマージンがあるかを掴んでおくべき。

 

とは言っても。

客によっては使用状況の情報の開示を頑なに拒むところもあるからねえ。

ボーイング社ならばおそらくそうだろう。

 

私も昔、故障したとのクレームで返ってきた製品を分析したことがあるが、

元素分析をすると、どうやら原油のすぐ近くで使用したらしいのだ。

そういう場合にはユーザー側でしっかり密閉しなければならないのだが、どうも密閉が悪かったらしい。

この問題の結論がどうなったかまでは首を突っ込まなかったが・・・