昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

電気自動車は使いたくない

現状では、いや、しばらく後でも私は電気自動車は買いたくない。

 

電気自動車は今後大きな市場になるだろう。

しかしその謳い文句にはウソがあって。

 

CO2を全く出さない環境にやさしいクルマ、というが、

電気を作るのには大量のCO2を出すし。

火力発電ではなくて自然エネルギーを使って作った電気ならば?という意見もあろうが

太陽光パネルも風力発電機もその製造にはかなりのエネルギーを使い、当然CO2も非常に多く出る。

CO2排出的には元は取れるか取れないかくらいなのだ。

 

だから、まず、そのあたりも含めた総合的な議論がされるべきなのだが。

 

そして、電気自動車には大きな欠点がある。

タイヤを空転させられないこと。

これは雪国では致命的となりえる。

雪のあるところでスタックしてしまうともはやどうにもできなくなる可能性がある。

 

これはプリウスのスタック現場に居合わせたときによくわかった。

プリウスは後進はモーター駆動のみなのだが、

モーター保護のためにタイヤの空転を抑える仕組みになっている。

 

スタックから抜け出すときには、

タイヤを多少空転させながら押してもらいながら抜け出す、のだが、

プリウスではバックではそれが全くできなかった。

バック時は故障したかのようにうんともすんとも言わないのだ。

 

電気自動車の開発状況を少し調べると、

走行時のエネルギー効率をできるだけよくするためにトラクションコントロールを重要視している。

つまり、ホンのちょっとでもタイヤを空転させるまい、と。

モーター駆動だとそれが高効率で可能だということで。

 

つまり、通常安定走行しか考えていないのだね。

クルマは現在でもそうなのだが、雪国のことを考えた造りにはなっていない。舗装路面上走行しか考えていないのだ。

 

雪道上でのスタックを考えれば、トラクションコントロールをオフにするスイッチと

タイヤ空転時のモーター保護の機構を付ければよいだけなのだが、

現在の開発者連中がそこまで気を遣えるとは思えない。

平らな道を前に走ることしか想定していないからね。

 

あ、ちなみに、ホンダのハイブリッドシステムはエンジンメインだから後退もエンジン駆動である。

だからスタック時も普通の車である。

買うとしたらせいぜいハイブリッド車、それもトヨタではなくホンダだね。

しかしホンダのハイブリッドシステムも今後どう改悪されるかわからないが・・・