事務職の非効率さ
長いこと製造業の現場に携わってきた者から見ると、
主に事務をやるような非製造業の仕事ってとても非効率、しかもそれに気づかない、
といっつも思う。
事務作業の効率化を進めるために新しい全社システムを導入する、とか
専用ソフトを導入する、とか
そんなんは製造業で言ったら機械化を進めることと同じで、当然のこと。
しかもそれらへの入力ミスのリカバリーで右往左往したりもする。
そういう話ではなく、もっと身近な部分での効率化を全く考えていない。
最近聞いた話で。
ある団体の管理部門が全職員に対し通達を出した。
その団体には日本語がよく分からない外国人が少なくなく、それらの人に対しては各部門の担当者は口頭で英語で伝える、というもの。
当該通達には日本語特有、というか日本人でも常に携わっていないと難しい用語もあって、各部門の担当者は外国人に伝えるのにかなり苦労していた。
この団体の管理部門ははっきり言ってア○かと思った。
外国人がいるのは昔からだし、そんな通達はしばしば出しているのだから
英訳した通達文も作成して配るべきなのでは?
その通達の担当者がめんどくさがっていたのか、手抜きなのか、各部門の事務方に”丸投げ”したわけだね。
各部門の事務方が外国人に苦労して伝えるのにかかる労力は
組織全体で考えたら相当な量、すなわち恐ろしい非効率さである。
それなのに、管理部門が自分だけ楽をしようと手抜きをするわけだ。
そしてその担当者の手抜きを黙認する上司も上司、団体組織全体の効率を全く考えていないわけだ。
まー、そもそも、アホな上司ほど、
何かのミスが生じると担当者に「ミスするな」と叱責するだけなのだ。
各担当者も「ミスしないように気をつけよう」と思うだけなのだ。
事務職の大部分の人は、「ミスしないように気を付ける」としか思っていないでしょ?
製造業から見た正解は、「ミスが生じにくい仕組みを作る」ことなのだ。
細かい事例は書かないけど、事務職に当てはめるとチェックシートを作るとか、仕事全体を定型化するマニュアルを作るとか。
これはISO9000の考え方でもある。だから弁護士事務所とか地方公共団体と下でもISO9000の取得事例があるのだ。
そしてそういうミスが生じにくい仕組みを考えるのがその部門の長なのだ。
そしてアホな長ほどそういったことを考えるアタマが無いのでミスの叱責に終始するだけなのだ。
そういう人ほど、定型化は難しいとの言いわけをいくらでもする。
そういうことばっかりしているのに(推測)、収支が厳しいので自動車保険の保険料を上げるとかという話になるから腹が立つのだ。