昔気質技術者のお小言

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プリウスPHV燃費が61km/L?

新発表のプリウスPHVが燃費が61km/Lと報道等で聞いてため息が出た。

あまりの紹介の酷さに。

なんか、マスコミは業界と一緒になって頭がよくない庶民をだまくらかそうとしているかのようだ。

 

プリウスPHVについていちいちここで紹介するのはアホらしいので。

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111129_494124.html

 

燃費がいくつとか言っているが、車の走行距離には当然家でバッテリーに充電した電気による走行も含まれている。

その電気量・代金をなぜ含めて説明しない?

「燃費」だから言わなくてもいいのか?

単なる言葉遊びじゃあないか。

ちなみに、先のWebページには、表示が義務付けられているプラグインハイブリッド車特有の数値の表示の説明があるが、そんなものを見たって実際の走行コストなんてよくわからない。

そういうところのろくな解説をせずに燃費が61kmなどと書いているだけ。

 

テレビ朝日の朝番組でのあるコメンテーター、「環境にも良いですよね」。

家庭用の電気を作るのにもCO2は相当量排出されるのだが?

もしかしてそんなことも知らずにコメンテーターしている?

そんなコメントだったら小学生でもできる。

それとも、そういう車を充電するときは原子力発電で作った電気を使えとでも?

もちろん、他の自然エネルギー発電でも、太陽電池はその製造に相当なCO2を出すし、

風力発電機なんか、その発電機の製造で出るCO2と風力発電によって削減されるCO2量は”トントン”だそうな。

 

環境に良いと言えるのは、車に乗らないことだけだ。PHVであろうが。

 

最も酷いなあと思ったのが、自動車評論家による紹介。

http://autoc-one.jp/toyota/prius/newmodel-911688/

ここでも「燃費はなんと「61.0km/L」!」などと何にも考えていない表題。

 

最終ページではご丁寧に、一年間でガソリン代がどのくらい安くなるかを試算している。

で、電気代は??

たぶん、この自動車評論家の家は電気がタダで使えているのだろう。

思うに、この一連の報道は、電気をガバガバ使わせようとする電力業界の意図が働いているのではないか?

何にも考えずに充電させ、電気料金をガッポリ取りたいと。

 

最近日テレの番組で、灯油ファンヒーターよりエアコンの方が暖房費用が安くなるとの実験を紹介したところ、ツイッター上では

電力業界の回し者か、とか、電気をどんどん使わせて結果やっぱり原子力発電って必要だよねともっていきたいのか?とか、非難轟々。

この車についての報道に対しても同じような非難があってもいいはずなんだが。

 

・・・と思ったが。

 

トヨタのページでは、満充電に必要な電力量を示し、それに係る電気代を試算していた。

それによると、54円。

54円で26キロ走れるのであれば、ガソリンより走行費用はかなり安い。

 

まあ、大体のマスコミは取材だけでこのページは読んでいないんだろうなあ。

それで61km/Lとヨイショする。

 

読んでいたとしても、54円という金額はお金持ちにとってはタダみたいなものなんだろう。

よって、61kim/Lとはやしたてる連中はみんな金持ちなんだな。

 

トヨタのページでも、トップに堂々と 61kim/Lと書いてある。

電気代の情報は探さないと見つからない。

「61kim/L」という数字をひとり歩きさせようとする意図が見えるのだ。やっぱり詐欺まがいだね。