昔気質技術者のお小言

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レコードの音質について考える

ソニーがなぜ今アナログレコードプレーヤーを発売するのか。 http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/011400112/?rt=nocnt いや、ソニーは前からレコードプレーヤーを出しているが。
今回のプレーヤーは”ハイレゾ”対応ということなんだろう。 さて、今回の話題はそのレコードプレーヤーではなくて。 冒頭に挙げた記事では、現在の音楽業界のトレンドはハイレゾとアナログレコードブーム、としている。 アナログレコードの温室について考えてみた。 アナログレコードは音量の変化を直接を凸凹にして記録しているから、 原理的にはデジタルよりも音の再現性ははるかに良い、原理的には。 音の波を”アナログ”で記録しているから、デジタル的に言ったらデータ量は無限大。 アナログは連続値、デジタルなんて音を分割しちゃって記録しているわけですからな。 しかし一般的には、アナログレコードよりもCDの方が音の再現性は上。 これは、アナログは”伝達”すると波の形が劣化しがちということが原因。 ま、デジタルしか知らない世代に対して説明すると時間がいくらあっても足らないのですが・・・ 一方、アナログレコードに対する評価として一般的に多く言われるのが、「音が柔らかい」。 この、音の柔らかさ、ってのは、音の波形が単になまって(鈍って)いることであると考えられる。 つまり原音の再現性はやはりいまいち。 音のような”波”をアナログで伝達しようとすると、急激な変化の部分は波形が”鈍る”のです。 スパイク上の音があったら、そのスパイクの先端値が低くなるとか。 だから、音が”柔らかく”なるのだ。 アンプ等を自作するようなオーディオマニア向けの雑誌で、”抵抗器”の種類についての説明を読んだことがある。 それによると、正確な再現性が無い材料の抵抗器の評価が、”音が柔らかい”。 その材質の抵抗器に信号を通すと確実に波形が鈍る、そういう材質の、いわゆる”安物”の抵抗器が”音が柔らかい”とされているわけだ。 対して、コストがかかるような高価な材料の抵抗器は、音の再現性が良いとされる。 もちろん電子部品の専門家がみても波形の再現性に優れた抵抗器。 ”音が柔らかい”とは決して言われない。 というわけで、アナログレコードが”音の柔らかさ”、は波形の鈍り、スパイク上の波形の鈍り、であります。 というわけで、レコードから音を取り出してすぐに、あちこちの回路を通さずに、すぐにハイレゾ記録する、ってのはいい手ですな。 レコードからアナログ波形を取り出すときの波形の鈍りは残るが・・・