昔気質技術者のお小言

車、日用品、家電製品、時事問題を技術者的に

社運をかけると失敗する

半導体用シリコンなどを手がける名門老舗企業が窮地に、という話。

http://toyokeizai.net/articles/-/103260

いやー、この記事をよく読むと、”失敗”はほぼ必至ではなかったのか。

工業製品てのは、発売した瞬間から陳腐化が進む。

すなわち単価は下がり続ける。

こういった傾向はいわゆる”装置産業”で顕著。

装置産業とは、デカい製造装置を何台も使って生産するような製品分野のこと。

極端に言えば、製造装置を買って並べれば誰にでもできる

だから金さえあれば誰でも参入できる、市場価格はどこまで下がるかわからない。

いや、誰にでもできる、は言い過ぎですが、

”リスク”を考える際にはこのくらいの意識は必要であろう。

そんなリスクがあるところに、”社運をかけて”巨額投資、

そして市場価格が想定以上に下落、

それは単に見通しが甘かったのではないか。

ま、こういった意見は完全に”後出しジャンケン”ではあります

結果が出てからだったら、ほれ見たことか、なんて誰にでも言えますからな。

しかしながら、シャープもおんなじようなことをしていたじゃん。

社運をかけて液晶に注力、”亀山モデル”なんてね。

いかに高技術力で高性能な液晶であろうと、性能を上げる手段は複数ある。

性能的に1位と2位で、その差は鼻の差だったら、

価格が安い2位製品の方を消費者は選ぶ。

シャープの液晶注力は短期的には成功だったかもしれない。

しかし長期的には?、と思うのだ。

何度も言いますが、所詮後出しジャンケン的意見ですがね・・・

昔、とある人から聞いた話。

もしその研究開発が失敗したら、失敗しても、何かが残るようにしなければならない。

まあ・・・この通りに開発を企画するのはなかなか難しいのですが・・・